こんにちは上領歯科医院の上領哲也です。
　ひじょうに上手く簡潔に説明していただいているので、貴方の今の状態は予想しやすいです。
　・考えられる病名としてはどんなものが挙げられますか？
　　→おそらくは放置しておかれた歯が原因の歯根嚢胞ではないでしょうか。歯根嚢胞は大きさが小さい時は根管治療で治癒させることができますが、１ｃｍぐらいの大きさになると、根管治療で完治するのは困難なことが多く、外科的な摘出が必要ではないかと思います。また埋伏している犬歯が原因で起こる濾胞性歯嚢胞（ろほうせいしのうほう）の可能性も無くはないですが、通常、濾胞性歯嚢胞で鼻の横あたりから、上唇あたりまで腫れるということは稀です。また歯根嚢胞と濾胞性歯嚢胞の両方が原因である可能性もあります。どちらにしましても大学病院の口腔外科などを受診して、ＣＴなどの撮影を行い診断したほうが良いでしょう。
　・私はホルン（楽器）を吹いているのですが、嚢胞と埋没永久歯を取った後でも、吹き続ける事ができるんでしょうか
　　→嚢胞のみの摘出ですむのか、抜歯が必要なのか、あるいは埋伏している犬歯の抜歯まで必要なのかで、手術の範囲はかなり異なりますが、一時的に顔の腫れや術後の疼痛や、唇周囲の違和感はあるでしょうが、時間の経過と共に治まり、以前と同じように吹き続けることができるでしょう。
　・浸出液がたまって嚢胞が大きくなって顔が変形して・・・なんて心配はないんでしょうか。不安です。　　
　　→顔が変形するほど大きくはなりませんので大丈夫です、しかし出来るだけ早期に口腔外科への受診をおすすめします。