こんにちは上領歯科医院の上領哲也です。
　これまでにも、海外に在住されておられる方から、歯の悩みのご相談を何度かお受けしましたが、費用などについてのご相談は初めてです。
　日本とアメリカの健康保険事情の相違は、色々と見聞してきていましたが、歯周病治療の治療費についてはあまり存じておりませんでしたので、貴方の貴重な体験談をお聞かせいただき非常に興味深く拝見しました。
　貴方のお受けになられた治療ですと日本の場合ですと、健康保険を使いますとだいたい以下のような治療費になると思われます。
　　１日目：初診料、レントゲン撮影、歯茎のチェックアップ、軽い歯石除去などで・・・約￥４，０００
　　２日目：ディープクリーニング（歯の場所によって異なりますが歯１本につき）約￥１８０を含み再診料、消毒料などで・・・約￥７００〜
　　３日目：根管治療（歯の場所によって異なりますが）￥６００〜￥２，０００
　　４日目：歯茎を切る治療（歯１本につき）￥２５０〜￥２，０００
　　被せ物を被せた場合：完全に健康保険を使うと約￥３，０００〜￥８，０００
　といったところでしょうか。
　余談になりますが、歯ぎしり防止のマウスピースのようなナイトガードという夜間だけ装着する装置があるのですが、日本の場合健康保険ですと、約￥５，０００ぐらいなのですが、アメリカでは￥１３０，０００ぐらい請求されるというのを聞いたことがあります。
　日米の治療費の違いはかなりエゲツナイものがありますね。
　またアメリカの場合加入している保険がいいものですと、かなりの範囲までカバーできるため、患者様がいい保険に加入しているとドクターはあれも、これもと、どんどん治療を勧めてくるそうです。極端なケースですと毎月のように提案書付きのダイレクトメールまで送付してくるそうです。
　またアメリカは完全な専門医制度になっているため、根の治療や、歯茎の治療が終わって歯に被せ物をする段になると歯科医院を変えなければならないので、日本人の感覚ですとそれもけっこう面倒なものですね。
　この１５年ぐらいで日本も健康保険の本人の負担額が１割、２割、３割と段階的に増加して、患者様の懐を圧迫してきていますが、アメリカに比べるとまだまだ今のところは我々の日本は恵まれていると言えるでしょう。
　今後、小泉政権は医療費の抜本的な見直しを図ってくるようです。特に今後も増大し続ける医療費の抑制のため、保険制度をアメリカのように１００％民間の企業に委託しようと目論んでいるようです。
　皆さんが安心して医療が受けられるような制度の存続だけは望みたいものですね。